研究課題/領域番号 |
18340100
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
芝内 孝禎 京都大学, 理学研究科, 准教授 (00251356)
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研究分担者 |
寺嶋 孝仁 京都大学, 低温物質科学研究センター, 教授 (40252506)
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キーワード | f電子系 / 次元性制御 / 電子相関 / 超伝導対称性 / 反強磁性 / 積層構造 / 量子臨界現象 / エピタキシャル成長 |
研究概要 |
本研究の目的は、分子線エピタキシー法(MBE)による重い電子系Ce化合物の薄膜化技術を完成させ、用いた同じ結晶構造を持ちながら重い電子を持たない通常金属であるLa系化合物との積層構造を作製し、重い電子を擬2次元的に閉じ込めた系を人工的に作り出すこと、およびこのような系での物性測定により、低次元強相関電子系の理解へとつなげていくことである。 本年度の成果としては、まず、薄膜成長装置であるMBEシステムを用い、CeCoIn5超伝導体のc軸配向薄膜の作製に成功し、2Kにおいて超伝導転移を確認した。抵抗率の温度依存性および上部臨界磁場の温度依存性はバルク単結晶のものとほぼ一致している。 次に、反強磁性重い電子系であるCeIn3薄膜の成長を行い、反射電子線高速回折(RHEED)にストリークがみられるエピタキシャル成長に成功した。X線回折による逆格子マッピング測定を行い、CeIn3薄膜が基板面方向にも良く配向した単結晶状の薄膜であることを確認した。電気抵抗率測定の結果はバルク単結晶の結果をほぼ再現し、10Kに反強磁性転移を確認した。 さらに、CeIn3と同じ結晶構造を持つ通常金属LaIn3についてもエピタキシャル成長に成功し、これらを組み合わせてCeIn3とLaIn3の積層構造をもつエピタキシャル人工超格子の作製に成功した。電気抵抗測定の結果から、CeIn3層の厚みを少なくするにつれて反強磁性温度が低下していくことが明らかになり、次元性制御による反強磁性転移の抑制に世界で初めて成功した。 また並行して、熱伝導測定により、重い電子系超伝導体CeIrIn5の超伝導対称性を決定した。
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