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2008 年度 実績報告書

量子流体力学の構築

研究課題

研究課題/領域番号 18340109
研究機関大阪市立大学

研究代表者

坪田 誠  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10197759)

キーワード超流動ヘリウム / 量子渦 / 量子乱流 / 量子流体力学 / ボース・アインシュタイン凝縮 / 乱流 / 二流鯛モデル
研究概要

超流動ヘリウム,および中性原子気体ボース凝縮系(BEC)といった低温の量子凝縮系を対象に,これらを統括的に扱い,量子流体力学の構築を目指す.これらの系の流体力学では,その最小の構成要素としての量子渦が出現する.超流動ヘリウムでは,古典乱流と量子乱流の対応(共通点および相違点)を明らかにする.それにより,量子乱流を,古典乱流よりも簡単な乱流の雛形と位置づけ,乱流研究のブレイクスルーを行うことを目指す.また中性原子気体BECでは,光格子(周期ポテンシャル),ボースーフェルミ混合系,多成分BECなど多彩な状況の下で,量子渦を中心とした量子流体力学がどのように発現するかを明らかにする.今年度の主な成果は以下の通りである。
1.振動球が作る量子乱流において、球に働く抗力を求める定式化を作った。渦糸モデルによる数値計算と組み合わせる事により、抗力を求め、それが典型的な実験結果とあうことを示した。
2.スピノールBECにおける磁気共鳴現象を調べた。通常の磁気共鳴で起こるスピンエコーがこの系で起こる事を示し、それがこの系特有の成分の相分離に影響される事を明らかにした。
3.絶対零度における原子気体BECでの、ケルビン波のランダウ不安定性による放出を示した。これはその後の量子渦の発達により、量子乱流に転じる事を明らかにした。
4,振動する原子気体BECにおいて自発的に粒子が放出されること、および放出された粒子がボルツマン分布に従う事を示した。これは、曲がった時空における場における粒子生成を意味し、宇宙論と深い関係がある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Spontaneous radiation and amplification of Kelvin waves on quantized vortices in Bose-Einstein2009

    • 著者名/発表者名
      H. Takeuchi, K. Ksamatsu, M. Tsubota
    • 雑誌名

      Physical Review A 79

      ページ: 033619(1-5)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Spin echo in spinor dipolar Bose-Einstein condensates2008

    • 著者名/発表者名
      M. Yasunaga, M. Tsubota
    • 雑誌名

      Physical Review Letters 101

      ページ: 220401(1-4)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Drag force on an oscillating object in quantum turbulence2008

    • 著者名/発表者名
      S. Fujiyama. M. Tsubota
    • 雑誌名

      Physical Review B 79

      ページ: 094513(1-7)

    • 査読あり
  • [学会発表] Quantum turbulence -from superfluid helium to atomic Bose-Einstein condensates-2008

    • 著者名/発表者名
      坪田誠
    • 学会等名
      第25回低温物理学国際会議
    • 発表場所
      オランダ、アムステルダム
    • 年月日
      2008-08-08
  • [図書] 量子渦のダイナミクス/砂丘と風紋の動力学2008

    • 著者名/発表者名
      坪田誠, 西森拓
    • 総ページ数
      219
    • 出版者
      培風館
  • [備考]

    • URL

      http://www.sci.osaka-cu.ac.jp/phys/eep/top-j.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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