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2006 年度 実績報告書

可解模型の相関関係と熱輸送現象

研究課題

研究課題/領域番号 18340112
研究機関東邦大学

研究代表者

高橋 實  東邦大学, 理学部, 訪問教授 (40029731)

研究分担者 城石 正弘  東京大学, 物性研究所, 助手 (80323632)
堺 和光  東京大学, 総合文化研究科, 助手 (10397028)
キーワード磁性 / 数理物理 / 統計力学 / 物性基礎論 / 物性理論 / 低次元系 / 相関関係 / 熱力学
研究概要

この研究では可積分スピン系の相関関数の厳密な解析を推し進め、また量子輸送現象の研究を進める。
1.可解模型の相関関数の厳密な計算基底状態相関関数の厳密計算においては最近さらなる進展があり、多重積分表示に依らず、代数的に計算する方法が開発された。実際、ボース-城石-高橋は、XXX鎖の場合に量子クニツニクーザモロチコフ方程式から相関関数の満たすべき関数方程式系を導き、それに基づき最終的な相関関数の形を決定する方法を定式化した。彼らは5サイト間の全ての相関関数を計算することに成功した。平成18年度ではXXX鎖について6サイトおよび7サイトのすべての相関関数を計算し、エンタングルメントエントロピーを計算することができた。また2点相関関数、ストリング相関関数をgenerating functionの方法を使って8サイトで計算することができた。またXXZ模型では計算がXXX模型より複雑になり、4サイトの場合しか研究がなかったが、今年度はΔ=1/2の場合について計算が進展した。この研究では数式処理が重要で強力なワークステーションが必要であるが8月にデルのプレシジョン690を購入し、計算がおおいに進展した。
2.静的相関関数だけでなく動的相関関数の計算の定式化を行い、J.Phys.Aに発表した。
3.量子輸送現象の厳密解の手法による研究1次元量子系が理論・実験の両面から活発に研究され、顕著な量子効果による、特有の現象が数多く報告されている。実験的にも、古典系の数千倍にも及ぶ極めて大きなスピン拡散係数が観測されている。1次元量子系の中には厳密に解ける一連の模型が存在し、近似的な手法を用いることなく様々な物理量が厳密に計算される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Density matrix elements and entanglement entropy for the spin-1/2 XXZ chain at Δ=1/22007

    • 著者名/発表者名
      J. Sato and M. Shiroishi
    • 雑誌名

      J. Phys. A: Math. Theor. 40

      ページ: 8739-8749

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dynamical correlation functions of the XXZ model at finite temperature2007

    • 著者名/発表者名
      K. Sakai
    • 雑誌名

      J. Phys. A: Math. Theor. 40

      ページ: 7523-7542

  • [雑誌論文] String correlation functions of the spin-1/2 Heisenberg XXZ chain2007

    • 著者名/発表者名
      M. Bortz, J. Sato and M. Shiroishi
    • 雑誌名

      J. Phys. A: Math. Theor. 40

      ページ: 4253-4271

  • [雑誌論文] Exact evaluation of density matrix elements for the Heisenbergchain2006

    • 著者名/発表者名
      J. Sato, M. Shiroishi and M. Takahashi
    • 雑誌名

      J. Stat. Mech. P12017

      ページ: 1-27

  • [雑誌論文] 1次元量子系にみられる特異な輸送特性-厳密解からのアプローチ2006

    • 著者名/発表者名
      堺 和光
    • 雑誌名

      物性研究 87-2

      ページ: 214-266

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公開日: 2010-02-01   更新日: 2016-04-21  

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