研究課題/領域番号 |
18340132
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
藤井 直之 静岡大学, 理学部, 教授 (60011631)
|
研究分担者 |
渡辺 俊樹 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (50210935)
笠原 順三 静岡大学, 理学部, 教授 (70012953)
里村 幹夫 静岡大学, 理学部, 教授 (50126778)
佐柳 敬造 東海大学, 理学部, 准教授 (40332308)
|
キーワード | 地震アクロス / 電磁アクロス / アクロス信号のアレイ観測 / 電流ダイポール |
研究概要 |
計画していた電源装置の入手が困難になり計画変更した点は、本来の狙いよりやや出力の小さな電源装置を借用し、静岡大構内近傍の観測を先行させることで、大幅な変更とならなかった。ただし、およそ20km離れた俵峰磁気観測点と清水北電位観測点での連続観測によるデータ取得は、データの蓄積を継続中である。購入した電源装置による高出力の送信は、まだ継続時間が短かすぎて、十分なS/N比が得られないからである。 本年度は、送信点から5km以内にある有度丘陵の北縁に位置する草薙断層にそって、臨時観測点を設けて磁場観測を行った。各観測点での観測時間は最長で20時間である。数Hzの周波数帯の信号に対しては、この予備観測の時間程度でS/Nのよいデータが得られた。新幹線や東名高速道路が密集した住宅地の近傍で、解析可能な程度の結果が得られたことは、電磁アクロスの手法の特徴が十分発揮されたことの証である。この観測結果と水平成層構造で予想される電磁波応答を比べ、両者が近い結果が得られた(Nakajima, et. al., 2007)。これは今回の観測範囲内では、水平方向の不均質が少ないことを意味する。ただし、スタッキング後のスペクトルから判断すると、地球磁場誘導成分のため低周波数のノイズレベルは上昇し、また高周波数成分は伝播途中の減衰のため信号レベルが下がっている。伝播の特徴を表す伝達関数はできるだけ等S/Nで取得するのが好ましいので、今後の観測では、送信信号の設計およびノイズの処理方法をさらに工夫する必要がある。
|