研究課題/領域番号 |
18340133
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
向井 正 神戸大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (10097412)
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研究分担者 |
中村 昭子 神戸大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (40260012)
岡田 靖彦 神戸大学, 大学院自然科学研究科, COE研究員 (30372650)
平田 成 会津大学, コンピューターソフトウエア学科, 講師 (80372655)
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キーワード | 分光 / 小惑星 / 隕石 |
研究概要 |
1.近赤外多位相角同時分光計を用いて粗い表面の後方光散乱特性を調べた。阻石粉と塊をそれぞれ試料表面として用いたところ、粉の粒子径が波長に比ぺて十分大きい場合は、塊と粉による光散乱特性に違いはみられなかった。このことは、散乱体表面に粉粒子どうしがつくる空隙は、後方散乱特性に効かないことがわかった。また、同じ明るさの表面の場合に、表面が入射波長に比べて大きなスケールで凹凸に富んでいる場合(粗い)ほど、後方散乱強度が大きくなる傾向があることが見出された。 2.現有の近赤外位相角同時分光計と同様の動作原理をもつ可視域の多位相角同時分光計の光学系を作成した。既存の可視CCDと組み合わせることで、可視域の後方散乱スペクトルを、位相角方向に分解して取得できることを確認した。位相角分解能は半値幅で1°となり、近赤外分光計と同様の性能を達成した。ただし、測定精度を高めるためには、CCDは冷却する必要があることが分かり、次年度の改良課題となっている。 3.不現則形状微粒子の層状構造体に、光が入射した場合の光路追跡シミュレーションを実行し、小惑星表面のレゴリス層の模擬散乱体での光散乱測定との比較検討から、シミュレーションプログラムの適用範囲について考察した。微粒子による反射・屈折・透過光の追跡と、それらが複数の微粒子と相互作用する状況のシミュレーションは完成した。ただし、今回無視してきた回折光成分の取り扱いが、今後の課題となっている。
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