研究概要 |
平成19年5月7日〜6月8日に白鳳丸KH-07-1次航海レグ2を実施し,深層循環流が北上してくる本州東方沖の40°N線に流速計とCTDの係留系を7系設置した。40°Nに沿ってCTDO_2観測も行い,塩分と溶存酸素のセンサーデータを較正し,断面図の作成や地衡流計算などの基礎的解析を行った。また,測定結果や観測の概要を載せた白鳳丸KH-07-1次航海レグ2のクルーズレポートを印刷した。 また,深層循環の上流域であるシャツキー海膨南西測線で平成17,18年に取ったCTDO_2データと係留系9系による流速データを,それぞれ川辺と柳本が中心になって解析し,深層下部を北上する深層循環流とそれがオーバーターンして南に戻る深層上部の深層循環流の分布と流量の研究を進めた。 さらに,代表者川辺は,深層循環の分布に大きく影響する鉛直,水平拡散係数をCTDO_2データから見積もる方法を考案し,それを西部北太平洋亜熱帯域に適用した研究成果を平成18年に-DeepSeaResearchPart1に投稿し,今年度はその改訂を行って2008年3月号に発表した。この方法を使えば,海底までの拡散係数を比較的容易なCTD観測によって見積もることができる。分担者柳本は,川辺と協力して流速計データと溶存酸素データを解析し,西部北太平洋中緯度域における深層循環流の流路と深層流の時間変動を明らかにし,論文をDeep-SeaResearchPart1の2007年12月号に発表した。そのほか,降下式音響ドップラー流速プロファイラーを使った深層研究の論文も発表した。
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