研究課題/領域番号 |
18340138
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
水野 亮 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (80212231)
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研究分担者 |
長濱 智生 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 准教授 (70377779)
前澤 裕之 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (00377780)
神沢 博 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (20150047)
秋吉 英治 独立行政法人国立環境研究所, 大気圏環境研究領域, 主任研究員 (10270589)
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キーワード | 環境変動 / 大気現象 / リモートセンシング / 電子デバイス・機器 |
研究概要 |
本研究は、最近発展の著しいマイクロ波分光技術を用いて小型で高感度の常温型(非冷却型)準ミリ波(22GHz)分光放射計を開発・実用化し、中層大気における水蒸気変動の実態とそのオゾン変動への影響を明かにし、中層大気における水蒸気-オゾン変動のメカニズムを解明することを目指している。平成19年度は、初年度の試験観測で明らかになった準ミリ波分光放射計の改良を行い問題の絞り込みを行った。 観測システムは、受信器システムの雑音温度は約160K(SSB)が達成されており、常温観測システムとして世界最高水準に達する感度を有している。しかしながら、0.2-0.3Kの信号強度に対し、2K程度の振幅のスペクトルベースラインのうねりが見られ、水蒸気の鉛直分布のリトリーバル解析の障害となっていた。そこで今年は中間周波数系回路内の適所にアイソレータやアッテネータを挿入したり、回路内のケーブルの取り回しを極力短く直線的にしたりするなどの中間周波数増幅系の徹底的な改良を行い、同増幅系内の反射により発生する定在波を抑え、スペクトルベースラインを改善した。さらに今年度は、局部発振器信号源として、従来の周波数シンセサイザに代えてGPS衛星の10MHz信号を基準周波数信号とした周波数半固定型の小型位相同期発振器を採用することにより観測システムの小型可搬型化を大きく推進した。また、バックエンドのデジタル分光計に関しては、デジタル分光計のOSであるWindowsと自作の受信器・モーター駆動系・ステータスモニター系を制御するLinuxの間でデータ通信や制御の同期を取るソケットプログラムの基本コンポーネントを開発した。これにより汎用性が高く、ネットワーク越しに遠隔操作が容易な観測システムを構築することができる。なお、当初計画していたチリ共和国アタカマ高地における試験観測は、現地における観測小屋の整備が遅れたため次年度以降に持ち越すこととした。
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