研究概要 |
海洋上における二酸化炭素吸収量の微気象学的方法による現場直接測定の研究のために,これまでの海面二酸化炭素交換について文献調査を行った。併せて,従来から進めている船舶を用いた二酸化炭素測定について,詳細なデータ解析,品質管理を行い,西部太平洋・インド洋地域における海面乱流フラックスのデータ整備に着手した。 観測船を用いた現場直接測定として,海洋研究開発機構の観測船「みらい」に研究分担者・研究協力者が乗船して,主に大気下層の二酸化炭素濃度の詳細な鉛直分布測定を実施した。このデータを用いて微気象学的方法で,渦相関法とは独立に二酸化炭素フラックスを推定することができる。この結果の概要は「みらいシンポジウム」「SOLAS Open Science Conference 2007」で発表して注目を集めている。また,Inertial Dissipation法を用いた二酸化炭素フラックスの推定も試みて,渦相関法との良い一致をみたことを「日本気象学会」「SOLAS Open Science Conference 2007」で発表した。 2004年度に実施した「みらい」の研究航海について,二酸化炭素輸送量を渦相関法によって詳細に解析し,空気の密度変動に伴うWebb補正の重要性を指摘した。この結果は日本海洋学会の英文論文誌「Journal of Oceanography」に掲載されることが決定し,印刷中である。
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