研究課題/領域番号 |
18340149
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福西 浩 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (90099937)
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研究分担者 |
高橋 幸弘 東北大学, 大学院理学研究科, 講師 (50236329)
藤原 均 東北大学, 大学院理学研究科, 助手 (50298741)
村田 功 東北大学, 大学院環境科学研究科, 助教授 (00291245)
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キーワード | スプライト / TLE / エルブス / ELF / VLF / FORMOSAT-2 / ISUAL / 化学的効果 |
研究概要 |
1989年に雷放電による中間圏大気の発光現象スプライトが発見されて以来、この10数年間に地上観測が続々と行われ、スプライトの他にも様々な過渡発光現象(TLE)が存在することが分かってきた。しかしこれまでの地上観測は限られた地点での観測であり、海上での観測もなかったことから、グローバルな発生分布を知ることができなかった。本研究では、2004年5月に打ち上げられたFORMOSAT-2衛星に搭載ISUAL観測器による雷放電発光現象のグローバル観測に基づき、TLE発生を支配する気象および雷雲活動条件と、発生機構の詳細を明らかにする。そのために、気象衛星データおよび地上ELF/VLF・光学観測データの解析結果や数値シミュレーションの結果を統合していく。平成18年度は、以下の成果が得られた。 1.衛星による発光現象のグローバル観測とデータ解析:FORMOSAT-2衛星搭載のアレイフォトメータの機能と取得データを定期的にチェックし、良好な観測データを得た。それらを解析した結果、TLEの世界発生分および雷放電数に対する発生確率分布を世界で初めて明らかにした。 2.ELF/VLF観測とデータ解析:世界4カ所(女川観測所、南極昭和基地、北極のキルナ、米国カリフォルニア州)に設置・運用しているELF観測網と国内のVLF受信機を運用し、得られたELF/VLFデータの解析を行った。特に、落雷位置決定精度の向上に努め、4倍以上の改善を達成した。またISUALデータと比較し、ELF波形からみたTLE発生条件について考察を行った。 3.地上光学観測装置の開発:地上観測を充実させるために、主に光学観測装置の開発を進めた。 4.数値シミュレーション:観測データの解析から得られる発光現象の発生条件をパラメータとして用い、TLEの時空間構造と化学的効果についてシミュレーションを行い、NOXの異常増加を初めて示した。
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