研究分担者 |
中井 俊一 東京大学, 地震研究所, 准教授 (50188869)
芦 寿一郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (40251409)
朴 進午 東京大学, 海洋研究所, 准教授 (70359199)
折橋 裕二 東京大学, 地震研究所, 助教 (70313046)
橋本 善孝 高知大学, 理学部, 准教授 (40346698)
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研究概要 |
得られた果は,以下である。 (1)構造地質学的観察観測による衝上断層帯のクラックテンソル分布の復元および断層内浸透率の推定。 断層帯,とくに下盤側の全体の破砕帯観測が終了した。その結果,断層帯は下へ下へと伝搬していっていることが明確となった。これは,これまでに報告されている断層帯一般の特徴とは異なり,すべりや破壊の結果,断層が強化されなければ起こりえない。その硬化の原因については,クラックヘの鉱物の沈殿が重要な役割を果たしていると推定されるに至った。またねクラックの幾何学的配列は系統的であり,それらが一連のすべりにともなう,複合面構造を形成していることも明らかとなった。上記の沈殿に貢献しているのはリーデルシェアと引張クラックであることも明らかとなった。 (2)断層岩およびクラックなどの室内観察,測定によるすべり弱化機構の解明断層岩の微細観察,化学分析により,その弱化メガニズムを解明。 断層および周辺の伸張クラックを充填する炭酸塩の微量元素分析を行った。その結果,Fe,Mg元素の濃集が明らかとなった。 (3)断層帯の温度圧力の時空間変化の解明鉱物脈流体包有物温度圧力計を破砕帯全体の破壊時の温度圧力構造を解明。 これまで断層破砕帯の空白であつた部分の分析を実施した。その結果,断層の下へ行くに従って温度が下降し,上盤との境に比べて100度程度の低い状態におかれていたことが明らかとなった。
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