研究概要 |
1).昨年度では,本研究の目的に合わせて試験機の改良をして,試運転、調整を行った。本年度では,沈み込み帯の地震の破壊、溶融メカニズムを解明するため,間隙水圧の条件下で摩擦溶融試験をはじめて行った。高速摩擦により断層帯の岩石が間隙水圧の条件下でも容易に溶融することが明らかにされた。現在,一部の成果をまとめて投稿する準備を進めている。 2).オーストラリア中央部のWoodroffe断層帯に産出するシュードタキライトの研究により,はじめて断層深部のグラニュライト相の環境で形成されたシュードタキライトを発見した。この発見によって,大地震時の地震断層破壊は地下25-35キロより深い地殻深部まで及んでいることが初めて明らかにされた。この成果はPure and Applied Geophysicsの国際学術雑誌に公表した。(雑誌論文1を参照) 3).本研究の目的と密接に関連した内陸地震断層の破壊メカニズムを解明するため,2001年Mw7.8チベット北部の昆崙地震と2001年パキスタン地震により形成された地震断層の調査解析を行って,それぞれの地震断層の幾何学的な形態、変位量分布、変形帯の幅、延長などを明らかにした。これらの研究成果は。International Journal of Remole Sensingなどの国際学術雑誌に公表した。(雑誌論文2-6を参照) 4)脆性破壊に関連した野島地震断層-割れ目ネットワークの果たす重要な役割を明らかにした。この成果はTectonophysicsの国際雑誌に公表した。(雑誌論文7を参照)
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