研究概要 |
1). 昨年度では、本研究の目的に合わせて試験機の改良をして,試運転・調整を行った.また,間隙水圧の条件下で摩擦溶融試験をはじめて行った.高速摩擦により断層帯の岩石が間隙水圧の条件下でも容易に溶融することが明らかになった.本年度では,沈み込み帯の地震の破壊・溶融メカニズムを解明するため,蛇門岩の試料を使用して,地震時の溶融に伴って,蛇門岩の脱水作用が起きることが明らかにした.現在,一部の成果をまとめて投稿する準備を進めている. 2). これまでに行ったシュードタキライトの研究成果をまとめて,英文著書「Fossil earthquake:the Formation and Preservation」の本と中国語版とも出版した. 3). 本研究実施の途中で,2008年四川大地震が発生した.本研究の目的と密接に関連した内陸地震断層の破壊メカニズムを解明するため,2008年Mw7.9四川大地震の地震断層の調査解析を行って,それぞれの地震断層の幾何学的な形態・変位量分布・変形帯の幅・延長などを明らかにした.四川大地震に関連する研究成果は.TectonophysicsやInternational Journal of Remote Sensingなどの国内外学術雑誌に公表した.また,本研究の研究についてはNHKを初め多くのマスメデアに取り上げられて報道された. 4) 有馬-高槻構造線と糸魚川-静岡構造線活断層系に産出する脆性破壊に関連した脈状地震断層岩についての研究を行った本研究の結果,これらのカタクラスティックな脈状断層岩が地震断層運動により形成されたことが明らかになった.現在,本研究の成果をまとめて国際雑誌へ投稿する準備を進めている.
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