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2006 年度 実績報告書

歴史・地質・地球物理学的アプローチが明らかにする想定東海地震震源域の地殻変動履歴

研究課題

研究課題/領域番号 18340161
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

藤原 治  独立行政法人産業技術総合研究所, 活断層研究センター, 研究員 (50415741)

研究分担者 海津 正倫  名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (50127883)
矢田 俊文  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (40200521)
熊谷 博之  独立行政法人防災科学技術研究所, 研究員 (10343758)
佐竹 健治  独立行政法人産業技術総合研究所, 活断層研究センター, 副センター長 (20178685)
宍倉 正展  独立行政法人産業技術総合研究所, 活断層研究センター, 研究員 (00357188)
澤井 祐紀  独立行政法人産業技術総合研究所, 活断層研究センター, 研究員 (20399504)
キーワード地震 / 自然災害
研究概要

想定東海地震震源域において,過去に発生した地震に伴う地殻変動の痕跡を調査した.
1707年宝永地震に伴う津波と隆起の痕跡を確認したほか,過去4500年間にわたる堆積物から地震隆起を示すと考えられる層相変化を複数見出した.また,調査地域周辺の港・水運などに関する古文書や古絵図の写しを入手し,地震に関する情報を解読中である.詳細は以下の通り.
1.静岡県袋井市および掛川市周辺
この地域では1707年と1854年の地震で大規模な隆起が生じたとされる.地元の旧家などに伝わる古文書や絵図の写しを作成し,これらの地震に伴う地殻変動に関する情報を収集した.これらの内容の現代語訳を行い,具体的な地殻変動の範囲や量の推定を進めている.
17世紀の絵図を元に,江戸時代に「入り江」であった場所が地震隆起で干上がり,その跡を水田にしたと考えられる場所で掘削調査を行った.深度2-3m程度の定方位コア試料を東西・南北約1kmの範囲で30地点から採取した.多くのコアで標高0.8-0.2mの層準に,泥炭層から泥層への急激な層相変化が認められた.14C年代測定の結果,この層相変化は17世紀以降に発生したと推定される.歴史記録との照合から,これは宝永地震による隆起で水域が浅く狭くなった結果と考えられる.また,層相が変化する境界には,基底に侵食面を持ち一部に葉理の発達する砂質泥層が挟まっており,宝永地震による津波堆積物と考えられる.さらに深い地層(14C年代測定値によれば過去約4500年間の堆積物)にも,突発的な隆起や強い流れの流入を示す痕跡が複数認められた.隆起を示す典型的な例では,リップル葉理などが発達し浅い水中で堆積した砂層から急に泥炭層へと層相が変化する.
2.湖西市周辺
浅層ボーリングにより地殻変動の痕跡を見出した.かつての海面近くで堆積した砂層が,現在は標高2m付近に分布しており,この間に隆起が卓越したことを示している.14C年代測定の結果,この地殻変動は過去千数百年間に起こったと考えられる.この地域は東海地震の際に

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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