研究分担者 |
川幡 穗高 東京大学, 海洋研究所, 教授 (20356851)
松田 博貴 熊本大学, 理学部, 教授 (80274687)
横山 祐典 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (10359648)
杉原 薫 福岡大学, 理学部, 助教 (90320275)
藤田 和彦 琉球大学, 理学部, 助教 (00343377)
|
研究概要 |
国際統合深海掘削計画第310次航海(タヒチ島の海水準変動)に関する,今年度の特筆すべき成果は以下である. 1."Proceedings of the Integrated Ocean Drilling Program, Volume 310 Expedition Reports, Tahihi Sea Level"の出版. 本書は,DSDPやODPのIninital Reportに相当するものであるが,印刷物は作製されず,DVD出版ならびにWeb出版(doi: 10.2204/iodp. proc. 310. 2007, http://publications.iodp.org/proceedings/310/310toc.htm)という形で公開されている. 2.科学成果の速報 2007年春までに得られた成果をScientific Drilling誌に公表した. 3.2nd Post Expedition Meetingの開催 2007年11月12日〜16日に,タヒチ島で,2nd Post Expedition Meetingを開催した.その際に発表された成果ならびに問題点は,以下のようにまとめられる(研究代表者・分担者が関連する研究のみ). 1)タヒチ島では融氷パルスMWP-1B(約11,500年前)に対応づけられる急激な海水準上昇は認められない可能性が高い. 2)ウラン系列年代や14C年代が報告されたが,それらの試料の堆積水深が精度よく決定されておらず,"満足できる"海水準変動曲線は得られていない. 3)サンゴ骨格の酸素同位体や微量元素濃度のデータを海水温に変換するために,タヒチ島産現生サンゴの骨格記録に関する研究が必須である. 4)更新世の炭酸塩堆積物は,ウラン系列年代,無節サンゴモ・底生有孔虫による古水深推定,古地磁気データを総合すると,MIS10〜5に対比されると思われる.
|