研究概要 |
平成19年度は高温高圧合成実験によって発見され報告されている含水高圧マグネシウム珪酸塩相(DHMS)と天然に見出される鉱物相との構造的関連に的を絞った研究を行った. 13.5GPa,1400℃で合成され,Feを含む含水オリビン,Mg_<1.85>Fe_<0.14>Si_<0.993>H_<0.06>O_4の結晶構造を新たに単結晶X線回折で解析し、赤外吸収スペクトルのデータとの対応を解析した.その結果、Feを含まない含水オリビンの結果(平成18年度の研究)とvacancyに関して異なる結果を得た.Feを含まない場合、vacancyは主としてMg1-siteに見出されたが、Feを含むときvacancyは主としてMg2-siteに見出された.Feとvacancyとの関係を結晶構造の観点から説明することを試みた.この結果は、沈み込み帯に関係する主要鉱物であるオリビンに水が取り込まれる機構を解明する手掛かりとなるものである.
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