研究概要 |
本研究の大きな目的は、地球の進化に重要な役割を果たしているにもかかわらず、未解決問題が多く残されている花崗岩類の成因について、詳細なデータが蓄積されつつある西南日本-韓半島を対象とし、年代学、岩石学、および地球内部ダイナミクスの手法を統合して、その全体像明らかにすることである。このためには、花崗岩質マグマ生成の物質源、熱源およびダイナミクスの3点について、それぞれを個別の手法によって掘り下げると同時に、その生成場を統合的なモデルによって解明することが必要となる。 本年度の研究では、上記のうち、鉱物年代測定(火成作用の時空分布の解明)、および花崗岩質マグマ生成のダイナミクスの2点に特に注目し、西南日本での調査、サンプリングおよびコンピュータシミュレーションによるダイナミクスの解明を進めた。前者に対しては、韓国側研究者(Prof.Jwa, Prof.Kwon)と一緒に、四国高松市周辺の花崗岩地域の調査・サンプリングを実施し、当該地域には、大きく分けて3種類の花崗岩があることを見出した。それぞれの代表的な産地は、南部中央構造線沿い、讃岐平野東部、および讃岐平野北部(庵治花崗岩類)である。さらにそれぞれについて南北方向の年代変化・岩質変化をとらえる目的で、合計26試料のサンプリングを行った。これらの試料に対して、平成19年度以降に年代測定を行う予定である。後者に対しては、2相流のコンピュータシミュレーションに必要な基礎コードの開発を行ったが、まだ応用する段階にはいたっていない。今後、さらにプログラミングを進める必要がある。 以上
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