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2008 年度 実績報告書

沈み込み帯形成最初期における角閃岩相スラブ-マントル間の物質移動とマグマ形成過程

研究課題

研究課題/領域番号 18340171
研究機関独立行政法人海洋研究開発機構

研究代表者

石川 剛志  独立行政法人海洋研究開発機構, 高知コア研究所, グループリーダー (30270979)

キーワードオマーンオフィオライト / 島弧 / 火山岩 / ボニナイト / 微量元素 / 同位体 / マグマ / 流体
研究概要

1.試料の分析
平成19年度に選定したオマーンオフィオライトおよび伊豆小笠原弧の火山岩に対する全岩主成分元素分析,微量元素分析を行なうとともに,一部の試料については試料のSr,Nd,Pb同位体分析を行った。また,スラブからの流体による元素移動に対して敏感なトレーサーとなるB含有率をICP質量分析計で簡便かつ正確に測定できる新しい手法を開発し,投稿した論文がGeochemical Journal誌に受理された。この手法を用い,スラブーマントル間の物質移動をより精密に見積もるため,オマーンオフィオライト海洋リソスフェアのWadi Fizh地域における断面(枕状溶岩-シート状岩脈-カプローカンラン岩)に対するB含有率の測定を開始した。
2.化学分析値の解析・解釈
オマーンオフィオライトの火山岩類は,微量元素パターンに基づき5つのタイプに大別できることが明らかとなってきた。それらのうち,低Pbソレアイトとボニナイトの微量元素パターンは,メタモルフィックソールから推定された角閃岩相スラブ流体によって汚染されたマントルウェッジの部分融解で期待されるパターンと整合的である。ただし,これらの火山岩から推定されるスラブ流体の87Sr/86Sr同位体比は,0.7078(95Ma)前後であり,現世の伊豆弧北部で推定される値0.7038に比べて著しく高い。これはこれまでの予想以上にスラブ中の堆積物物質の流体への寄与が大きいか,もしくは沈み込み最初期の角閃岩相スラブ流体には海水成分が多く含まれる可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] A simple method for the precise determination of boron, zirconium, niobium, hafnium and tantalum using ICP-MS and new results for rock reference samples2009

    • 著者名/発表者名
      K. Nagaishi
    • 雑誌名

      Geochemical Journal 43(印刷中)

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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