研究課題/領域番号 |
18340174
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
根建 心具 鹿児島大学, 理工学研究科(理学系), 教授 (10107849)
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研究分担者 |
根建 洋子 鹿児島純心女子大学, 看護栄養学部, 教授 (80290659)
尾上 哲治 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科(理学系), 助教 (60404472)
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キーワード | ストロマトライト / 炭素同位体比 / バイオマーカー / 古地磁気 / 古環境 |
研究概要 |
前年度までに、太古代の古地磁気編年、27~35億年前の炭質物ならびにストロマトライトの産状と炭素同位体比の関係の解明、34.6億年前から27.7億年前の頁岩コアの真核生物起源の石油による汚染、微生物起源の有機炭素と鉄との反応などを明らかにしてきたが、本年度は以下の研究を行った。 炭素同位体比の測定:Tumbiana Formation(27.4億年前)中のストロマイトの炭素同位体比を、微小領域に分けて検討した。その結果、有機炭素は粘土鉱物起源の含水鉱物と地層に平行に発達する微小脈中に分布し、前者には-50~-40‰、後者には-20~-30‰のの有機炭素が濃集していることが判明した。これらの検討は、初生の有機炭素は-60~-40‰程度の軽い同位体比であり、メタン形成に関わった微生物の存在が示唆される。 続成作用の室内実験:34.6億年前の鉄を含むMarble Bar Chertは、鉄バクテリアによるものと考えられるが、残留有機炭素が極めて少ない。これを解釈するために、有機物とgoethiteおよびシリカの続成作用時の反応を実験的に再現し、有機炭素の炭酸ガス化とmagnetiteの形成を確認したが、今年度に鉄のない系で同様の実験を行った。1500kg/cm^2の圧力で、300℃を越える高温では有機炭素は炭酸ガスとメタンガスに分解してしまうことから、更にこの条件よりも高圧低温での鉄の挙動を実験する必要がある。 現世土壌との比較:太古代の古土壌と現世土壌の比較解析を行った。炭素同位体比とlithologyの類似性から、太古代古土壌における微生物の存在が推定された。
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