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2006 年度 実績報告書

宇宙風化作用による天体反射スペクトル変化の実験研究:新しい太陽系年代学へ

研究課題

研究課題/領域番号 18340176
研究機関国立天文台

研究代表者

佐々木 晶  国立天文台, RISE推進室, 教授 (10183823)

研究分担者 野田 寛大  国立天文台, RISE推進室, 上級研究員 (10353426)
杉田 精司  東京大学, 新領域創成科学研究科, 助教授 (80313203)
安部 正真  字宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助手 (00270439)
キーワード地球惑星物質 / 惑星探査 / 太陽系天体 / 年代 / 小惑星進化 / 宇宙風化作用
研究概要

月岩石・隕石の実験室での反射スペクトルと月・小惑星の天体観測スペクトルには大きな違いがある。観測スペクトルは、全体的に暗く、波長が短いほど反射率が低い「赤化」の傾向があり、輝石やカンラン石に特有の1ミクロンの吸収帯が相対的に弱い。この月・小惑星表面の反射スペクトルの変化は、シリケイト中に含まれる酸化鉄が、高速ダスト衝突により還元されてナノメートルスケールの金属鉄微粒子となる「宇宙風化作用(Space Weathering)」と呼ばれる過程で天体表面が変成されたためと考えられている。
本年度は、反射スペクトル測定のために、近紫外・可視から近赤外域(250-2600nm)の領域の二方向反射率を入射・反射方向可変で取得できる装置を導入した。特注でステージ設置部を拡大して、さらに入射角・反射角を3次元的に変化できる装置を新規開発して国立天文台水沢地区に設置した。
本研究では、宇宙風化作用による太陽系年代学の解明という全体の大きな目的の中で、基準指標となるデータを「はやぶさ」の探査した小惑星イトカワで確立することを目指す。そのために、イトカワの反射スペクトルに近い普通コンドライトの宇宙風化実験を行った。イトカワ組成に近い、隕石試料にレーザー照射を行い宇宙風化作用を模擬したデータを取得した。「はやぶさ」の表面反射スペクトルとの比較から、イトカワ表面の色の変化は組成の違いではなく宇宙風化度の違いとして説明できることが明らかになった。また、これまであまり行われていない、隕石岩片試料への宇宙風化作用実験を行った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Discovery of developing space weathering on an S-type asteroid of LL-chondrite composition2006

    • 著者名/発表者名
      Hiroi, T., Abe, M., Kitazato, K., Abe, S., Clark, B.E., Sasaki, S., Ishiguro, M., Barnouin-Jha, O.S.
    • 雑誌名

      Nature 443

      ページ: 56-58

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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