研究概要 |
最終年度にあたり, 以下の2ステップの実験を行なった. 1. アルゴン酸素プラズマ反応性スパッタリング法により, 球状で単結晶、中空ナノ微粒子の生成に初めて成功した. 粒子直径は100nm程度であり, 大きい粒子は, この微粒子の集合体であることが分かった. この方法は, 「酸化物中空粒子、その製造方法及び酸化物中空粒子製造装置」として特許出願した. 形成機構として, プラズマ中浮上結晶成長プロセスを提案した. 亜鉛を用いたZnOナノワイヤーの形成機構も明らかにした. 2. プラズマCVD法を用いて実験を行なった. 原料ガスとしてMg有機化合物(MgDPM)(ジピバロイルメタン)を用いた. その結果, 内面壁に規則的に垂直突起状のナノロッドを生成できることが明らかになった. ナノロッドの間隔が狭くなると, 次第に表面が滑らかな透明で一様な薄膜になることが明らかになった. この方法は, 細管の長さに関係なく, 微細管内にプラズマ発生させ, 内部に薄膜堆積させる方法, 及び微細管内壁面改質方法として有用である. 以上めように, スパッタ法及びCVD法の2種類の手法により, 微細ガラス管内の高周波マイクロ放電パラメータを制御することにより, MgOやZnO薄膜形成において, 薄膜表面構造をナノスケールで制御しながら堆積する新しい方法を提案し, 実証することができた. これらの方法は, 他の酸化物金属成膜への応用も期待される.
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