研究課題/領域番号 |
18340183
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安藤 晃 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90182998)
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研究分担者 |
犬竹 正明 東北大学, 大学院・工学研究科, 名誉教授 (90023738)
服部 邦彦 日本工業大学, 共通教育系, 講師 (90261578)
市村 真 筑波大学, 数理物質科学研究科, 准教授 (10151482)
武藤 敬 核融合科学研究所, プラズマ加熱研究系, 教授 (90115949)
船木 一幸 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部宇宙輸送工学研究系, 准教授 (50311171)
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キーワード | 高周波加熱 / プラズマ推進 / VASIMR / HITOP / イオン加熱 / 磁気ノズル / 宇宙電気推進 |
研究概要 |
近年、プラズマを用いた電気推進機が次世代の推進システムとして必要不可欠なものとして開発が進められている。本研究の目的は、高速プラズマ流のイオン加熱法を確立し、磁気ノズルと組み合わせた推力可変の次世代のプラズマ推進システムを開発するために、高速で移動するプラズマ流中のイオン加熱手法の確立、磁気ノズル配位を用いた流れ方向エネルギーへの変換手法の確立、磁場からのプラズマ離脱の検証を進め、推力可変プラズマ推進機システムの有効性を明らかにし、その実現に寄与することである。 本年度は高電力高周波を印加した際のイオンサイクロトロン加熱時におけるプラズマ流の挙動を観測するために、既存の高周波電源を改造し、最大印加電力50kWまでのイオン加熱実験を行った。HITOP真空装置内に高周波印加用のヘリカル型アンテナを設置し、既存の磁場コイル(〜1kG定常)を用い、ヘリウムプラズマ条件でイオン加熱実験を実施した。印加電力を増加するとともに、イオン温度が増加し、プラズマ蓄積エネルギーも印加電力に比例して増加するが、徐々にプラズマ蓄積エネルギーの増加量が飽和する傾向が見られた。この原因は、イオン温度の上昇に伴いイオンラーマー半径がプラズマ径と同程度となってしまうため、それ以上の加速がおこらないためと考えられ、これを方向性静電エネルギーアナライザによって確認した。高電力高周波印加時において必要な磁場強度に対して検討を行い、コイル設計に対して有用な成果を得た。さらに、増強した高周波電力を、位相差をつけた2出力に分割し、ダブルヘリカルアンテナへ印加することでプラズマ流中に回転電磁界の励起を試み、位相差の違いによる加熱効果の差を観測した。
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