ファブリック型電極でのプラズマ生成について、ネットワーク解析のための基礎検討を行った。平行平板状の電極構造における誘電体バリア放電を観測したところ、電位連続パーコレーションモデルで説明できる現象が観測された。これを、ファブリック型電極上の2次元構造解析に応用するべく、検討を行っている。また、実際の大気圧表面処理において、2次元電極を用いて透明導電膜(ITO)表面の仕事関数の制御(仕事関数が増加する方向、つまり有機薄膜との問の障壁低減方向)が確認された。 また、応用分野の一つとして、溶液中プラズマ生成の検討を開始した。ファブリック電極の片側の極性の電極状に電気分解で水素及び酸素泡を保持することに成功した。そこに、両極性電極間に電圧を印加することで、水素および酸素プラズマの生成に成功した。これらの化学的に活性な気体中でのプラズマ生成により、溶液処理への適用能力を示すことができた。 さらに、別の応用分野として、ディスプレイ応用検討を開始した。大気圧の大気中で2次元ファブリック電極を用いてプラズマ生成することで、各画素間にクロストークの無いプラズマ生成が実現できた。さらに、電極を湾曲させても、特性の変化無くプラズマ生成が可能であることを確認した。今後は、縦方向・横方向電極を走査・データ電極と見なして、画素選択がどの程度可能であるか、表示能力の見極めを行う。 以上のように、当初のコンセプト通り、ファブリック型電極を用いて、各種大気圧プラズマ生成に成功している。表面処理・ディスプレイ応用・液中プラズマ生成等の応用分野に対する適用可能性についても、実証へ向けた検討が順調に推移している。
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