研究課題/領域番号 |
18350023
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
南方 聖司 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90273599)
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研究分担者 |
小松 満男 阿南工業高等専門学校, 校長 (60029197)
大平落 洋二 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (60324810)
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キーワード | 環状ヨードニウム / 光学活性 / キラルヨードニウム / 次亜ヨウ素酸tert-ブチル / 窒素-ヨウ素結合 / ビスオキサゾリン / 不斉合成 / N-ヨードスクシンイミド |
研究概要 |
年度当初の計画であるキラルハロニウムを創製する光学活性源として新規にデザインしたキラルイミダゾリンの合成を検討する前に、単純な(アキラルな)イミダゾリンがヨウ素源との反応で、目的の反応のメディエーターとなりうるかを確認した。その結果、ヨウ素源であるt-BuOIとイミダゾリンが反応し複雑化することが判明した。そこで、ヨウ素源をN-ヨードスクシンイミド(NIS)にかえて、これ自体をキラルルイス酸で活性化させることにより、キラルヨードニウムの発生を検討した。まず、金属ルイス酸として、塩化アルミニウム、過塩素酸マグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム、およびトリフルオロメタンスルホン酸スカンジウムなどをシクロヘキセンへのヨードエステル化(シクロヘキセンとフェニルエチルアルコールとの反応)に用いたところ、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛が効果的に作用することを明らかにした。そこで、この反応に対して、ビスオキサゾリン系を中心として種々のキラル配位子を添加したが、現時点では不斉誘起はみられなかった。一方で、ヨードニウムすなわちI^+そのものをキラルルイス塩基に配位させる(とりこませる)ことによるキラルヨードニウム源の創製を目指し、光学活性なピリジンビスオキサゾリンにテトラフルオロホウ酸銀を加え、続いてヨウ素を作用させることにより、比較的安定な錯体を合成することに成功した。今後は、これを用いる不斉合成へと展開する予定である。
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