研究課題/領域番号 |
18350038
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大澤 雅俊 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (00108466)
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研究分担者 |
山方 啓 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助教 (60321915)
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キーワード | 赤外分光 / 分光イメージング / 固液界面構造 / 表面増強赤外分光 / 電気化学振動 / 電極触媒反応 / 反応中間体 / ギ酸 |
研究概要 |
本研究は、固液界面で二次元的なパターンを形成しながら進行する反応(Chemical wave)を赤外分光法でリアルタイムに追跡する新しい手法を開発することを目的とした。他の光学顕微鏡と異なり、特定官能基の吸収の強弱をイメージ化すれば、時々刻々と変化する分子の分布と反応の広がりが観察できると期待される。ただし、対象は単分子以下の超微量であり、溶媒の吸収に妨害されるので、通常の赤外顕微分光では実現が難しい。本研究では、内部反射配置の表面増強赤外分光法(ATR-SEIRAS)でこの問題を解決することとし、光源、球面鏡2枚、波長可変赤外フィルター、チャンネルマルチチャンネルMCT検出器からなる最大限に簡素で明るい赤外分光イメージング装置を製作した。通常の透過条件での測定では何ら問題がないことを確認した。また、パターン化した電極を用いた固液界面の測定でも、20μmの空間分解能が得られた。これと並行して、Chemical waveがもっとも形成されやすいと考えられるPt電極表面でホルムアルデヒド酸化の(空間平均での)電気化学振動を高速スキャンFT-IRで検討し、振動がフォルメート種を中間体とする主反応経路と、被毒種COを経る副次経路の相互作用の結果生じることを明らかにした。この測定から、COが何らかの空間パターンを形成することが示唆されたので、最終段階として、製作した赤外分光イメージング装置を用いた電極表面の観察を行い、実際にPt電極表面上の吸着COが不均一な分布をしていることを見出した。ただし、イメージのコントラストが十分でなく、予想されているパターンと異なっているので、真にChemical waveを観察したかどうかまだ確認できていない。イメージ取り込みの高速化、コントラストの改善方法など、まだ技術的に克服すべき問題が残されているので、今後も検討を継続していく予定である。
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