研究概要 |
1.有機溶媒中での気泡、液滴のレーザートラップ現象の解明 ヘプタンやヘキサデカンなどの有機溶媒中の気泡が1064nmのレーザー照射により、レーザー照射位置に引き寄せられ、トラップされることを18年度に発見したが、今年度の実験で、さらに有機溶媒中の水滴も同様にレーザー照射点にトラップされることを見出した。この有機溶媒中での気泡や水滴のレーザートラップ現象には、光熱変換による媒体の温度上昇が関与していると思われる。レーザー照射による媒体の温度変化を明らかにするため、媒体中に溶かした蛍光試薬の蛍光強度を高速度カメラ、イメージインテンシファイアーを用いて観測した。この結果、気泡の泳動速度はキャピラリー中の温度勾配に比例することが明らかとなり、レーザー光熱変換によるキャピラリー内での温度勾配が駆動力としてはたらく、気泡、液滴界面のマランゴニ効果によるものと結論づけた。本現象は液中気泡や水滴の新規なマニピュレーション法とのしての発展が期待できる。 2.連続発振レーザーを用いる光吸収性微粒子の光泳動分離法の検討 532nmのレーザーを用いて水中の光吸収性水滴について詳細にレーザー光泳動挙動を観測し、液滴の吸収と泳動速度の関係を明らかにした。光吸収性液滴では、吸収による光の運動量の授受により泳動効率が高くなること、さらに液滴周辺の温度上昇により泳動速度はレーザーの出力に非線形に応答することがわかった。この結果より、 3.パルスレーザーを用いる光吸収性微粒子の光泳動挙動の観測 パルスレーザーとして、波長1064nm,532nm,355nm,266nmを用い、水中の高吸収性カーボン微粒子について実験を行ったが、パルス光泳動現象は観測できなかった。さらに媒体や粒子径などの条件を変えて実験を進める予定である。 4.この他、レーザー光の偏光状態と光泳動現象の関係を明らかにする基礎検討として、キラリティの測定を行った。
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