研究課題
高世代多分岐構造を有するポリマーの機能化を目的として、疎水性と疎油性を示すパーフルオロアルキル基、塩基性で、アンモニウムカチオンに変換可能なジメチルアミノ基、酸性で、カルボキシレートアニオンに変換可能なカルボキシル基、さらに水溶性で感温特性を有するジエチレングリコールメチルエーテル基の導入を試みた。まず第三世代のポリメチルメタクリレート(PMMA)で構成され、核部分で4分岐、第一層、第二層で各々2分岐の枝を有するデンドリマー様スターポリマーを合成し、最外層のポリマー鎖末端の官能基をすべてベンジルブロミド基に変換した。これにより、ポリマーは32個のベンジルブロミド基を最外層に含むことになる。次いで、上記の機能性基を導入したアルキルメタクリレート誘導体のリビングアニオンポリマーを高真空下で注意深く合成し、ベンジルブロミド化ポリマーに反応させることで、第四世代の多分岐ポリマーの第三層(最外層)に機能性基が導入さることになる。反応はいずれも定量的に進行し、32本のポリマー鎖が結合し、1500-2000個の望み通りの機能性基が最外層に導入されたことより、ポリマーがこれらの機能性基で完全に覆われたことになる。以上の反応が目的通りに進行したことより、疎水性、疎油性、塩基性、酸性、カチオン、アニオン、水溶性、感湿性が付与された新しい樹木状の多分岐ポリマーの合成に成功した。得られたポリマーはリビングアニオン重合を基として合成していることより、構造が厳密に制御されており、分子量分布が非常に狭い(M_w/M_n<1.03)大きな特長を有している。現在、得られたポリマーの溶液中での形態(ナノオーダの球状が予想される)や機能性分子の溶液による分布の制御に加え、対応する直線状のブロック共重合体を合成して、機能性発現の比較を痍討している。
すべて 2006
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