研究課題/領域番号 |
18350060
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
平尾 明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00111659)
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研究分担者 |
杉山 賢次 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (20282840)
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キーワード | 樹木状多分岐ポリマー / ブロック共重合体 / リビングアニオン重合 / ポリメチルメタクリレート / 分岐構造 / 繰り返し法 / 機能性ポリマー |
研究概要 |
複数の官能基変換が可能な基を有するアニオン開始剤を用い、メタクリレートモノマーのリビングアニオン重合、さらに得られたポリマーの鎖末端に導入された官能基を反応性基に変換し、再び上記の開始剤より重合したリビングアニオンポリマーを反応させる。この反応を繰り返すことで、目的の高世代多分岐ポリマーを合成する。反応が定量的であり、リビングアニオンポリマーを用いているので、得られたポリマーは厳密に鎖や枝分岐構造が制御されたポリマーである。枝の分岐も中心部が2-8分岐、また各世代では2分岐に加え、高密度の4分岐を導入することに成功した。分子量が200万、最大で500万を超える巨大高分子であるが、分布は単分散に近く、上述のように構造は厳密に制御されている。次に機能性を付与するために、第4世代に機能性を有するメタクリレートのリビングアニオンポリマーを反応させることで、水溶性、感温性、塩基性、酸性、イオン、及び液晶性を示す機能性セグメントの導入に成功した。最外層に機能性セグメントを導入したため、機能が発現しやすく、物理的変化(電場、pH、温度)によりポリマーの形態変化が観察された。また水溶性セグメントを導入した両新媒性ポリマーもその挙動は対応する線状ポリマーとはかなり異なることもわかってきた。得られたポリマーのサイズや形態、粘度の分子量依存性、さらにSAXSやLSで測定した結果、直径が30から60nm程度のややひしゃげた楕円形をしている新しい事実も見出した。現在、分子レベルでの相分離構造や分子集合体(ミセル、逆ミセル、単一ミセル、単分子膜や積層膜を検討している。
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