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2006 年度 実績報告書

金属触媒による新しいラジカル重付加反応の開発と配列制御高分子の合成

研究課題

研究課題/領域番号 18350061
研究機関名古屋大学

研究代表者

上垣外 正己  名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (00273475)

研究分担者 佐藤 浩太郎  名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (70377810)
キーワードラジカル重合 / 重付加 / 金属触媒 / 配列制御高分子 / ビニルモノマー / ラジカル付加 / メタクリル酸メチル / 塩化ビニル
研究概要

本研究では、金属触媒による新しい重付加反応の開発とこれによる配列制御高分子の構築を目的としている。具体的には、遷移金属錯体によるリビングラジカル付加重合の概念を重付加反応へと展開することで、金属触媒による新しい重付加反応を開発・確立し、さらにモノマー設計を行うことにより、これまでにない交互共重合体、多元交互共重合体を合成し、新しい配列制御高分子の構築を行う。本年度は主に以下の成果を得た。
1.遷移金属触媒による炭素-ハロゲン結合の活性化に基づくラジカル重付加反応の確立
エステルのカルボニル基に隣接した炭素一塩素結合と非共役二重結合を分子内に有するエステルを合成し、ルテニウム、鉄、銅などの遷移金属錯体を組み合わせて、ラジカル重付加反応を検討した。とくに、2-クロロプロピオン酸の1-ブテニルエステルをモノマーとして用い、鉄や銅錯体と組み合わせると、重付加反応が効率よく進行し、比較的高分子量(M_w=3,000-10,000)のポリマーが生成した。NMRおよびMALDI-TOF-MSによって解析した結果、炭素一塩素結合の活性化に基づく重付加反応が進行していることが明らかとなった。すなわち、モノマー構造に基づくカルボニル基に隣接する反応性の高い炭素一ハロゲン結合が金属触媒により活性化されラジカルが生成し、他の分子中の非共役炭素一炭素二重結合に付加し、次いで反応性の低い炭素-ハロゲン結合が生成する形で重付加反応が進行することがわかり、新しいラジカル重付加反応を見出した。
2.モノマー設計に基づく交互共重合体の合成
予想されるポリマーの構造が、メタクリル酸メチルと塩化ビニルの交互共重合体となるモノマーを合成し、種々の遷移金属触媒により重合を検討した。同様な重付加反応が進行し、分子量はまだ低いものの(M_w〜1,000)、ビニルモノマーの配列制御高分子と等価な構造のポリマーが得られることがわかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Metal-Catalyzed Radical Polyaddition as a Novel Polymer Synthetic Route2007

    • 著者名/発表者名
      Kotaro Satoh
    • 雑誌名

      Chem. Commun. 12

      ページ: 1260-1262

  • [雑誌論文] 遷移金属錯体による炭素ーハロゲン結合の活性化を用いた新しい新規ラジカル重付加反応2006

    • 著者名/発表者名
      水谷 将人
    • 雑誌名

      高分子学会予稿集 55・1

      ページ: 715

  • [雑誌論文] 遷移金属錯体を用いたラジカル重付加反応に基づく新規重合反応2006

    • 著者名/発表者名
      水谷 将人
    • 雑誌名

      高分子学会予稿集 55・2

      ページ: 2441-2442

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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