研究概要 |
1、ジブロモトルエンの重合による新規ポリマーの合成 ジブロモトルエンと金属マグネシウムを反応させることにより、ポリ(フェニルメチレン)が得られることを見出した。この重合はジブロモトルエンから生成するグリニヤー試薬のC-Br結合への求核置換反応を成長反応として進行する。この反応性を利用し、1,6-ジブロモヘキサン、ジメチルジクロロシラン、α,α'-ジブロモキシリレン等の2官能性求電子剤との共重合による新しい高分子の合成に成功した。 2、ジアゾカルボニル化合物とアルキン類との共重合 Pd錯体を開始剤とするジアゾカルボニル化合物の重合が、C-Pd結合を成長末端として進行することから、この結合に挿入することが可能なアルキン類との共重合を試みたところ、効率良く共重合が進行することを明らかにした。アルキンとしてフェニルアセチレン、1-ヘプチンを用いて、ジアゾケトン、ジアゾ酢酸エステルとの共重合を行うことにより様々な新しいポリマーの合成に成功した。 3、ジアゾカルボニル化合物とフェニルジアゾメタンの共重合 Pd錯体を開始剤として、ジアゾカルボニル化合物とフェニルジアゾメタンの共重合を行うことにより、ジアゾカルボニル化合物の重合により得られるポリマーにフェニルメチレン骨格を導入することに成功した。 4、有機アルミニウム化合物を開始剤とするジアゾカルボニル化合物の重合 トリイソブチルアルミを始めとする有機アルミニウム化合物を開始剤として、ジアゾケトンが重合することを見出した。この場合、Pd錯体を開始剤とする重合に比べて、主鎖に導入されるアゾ基の割合が大幅に増加することが明らかとなった。
|