研究課題/領域番号 |
18350075
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
島ノ江 憲剛 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (10274531)
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研究分担者 |
木田 徹也 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 准教授 (70363421)
湯浅 雅賀 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教 (50404075)
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キーワード | ガスセンサ / クラスター粒子 / 薄膜 / VOC / メソマクロポア / 高次構造 / ナノ粒子 / ゾル |
研究概要 |
H19年度成果 増感剤を分散担持した高次造体の調製 (1)昨年度逆ミセル法を用いて10nmサイズのSnO_2上にPdナノ粒子を担持できることを確認したが、この担持系をさらにゾル粒子に発展させるために表面固定化法および表面修飾法について検討を行った。表面固定化法では、pHの変化に伴いゾルが凝集沈殿を起こし、最終的にゾルとして得ることが難しいことがわかった。一方表面修飾法では、数nmサイズのPdを修飾剤を用いてSnO_2ゾル上に担持でき、増感剤担持ゾルの作製に有用であると考えられる。 (2)高次構造制御をSnO_2以外の材料に適用するために、TiO_2粒子について水熱処理を行い、調製条件を最適化することでナノチューブ化できることがわかった。このナノチューブを用いることにより、大きなガス分子の拡散に有用な多孔質膜が作製でき、トルエンに対して比較的高い感度を示すことが明らかになった。 半導体ガスセンサの理論面からの設計 半導体ガスセンサをさらに高感度化するために、空乏モデルに表面ガス吸着モデルを組み合わせ、粒子サイズやドナー密度の因子について検討を行い、重要な知見が得られた。まず、粒子間の電子伝導は特定の温度域においてトンネル伝導に起因し、酸素、可燃性ガス、吸着系ガスとの反応はガス分圧のべき乗則に従うことがわかった。さらに、球状効果として球状粒子が一番高いセンサ感度を与え、その際ドナー密度や粒子径によっては深い空乏状態が起こることが推測され、これが高感度化に有用であると考えられる。 新しいセンサ評価法 昨年度作製した応答回復評価装置を用いて吸着系のNO_2ガスについて評価した。この場合、膜内へのガスの拡散は速やかであるが、吸着速度が律速することがわかり、また粒子径を大きくすると伝導パスの遮断が緩やかになり、緩慢な応答を示すことが明らかになった。
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