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2007 年度 実績報告書

人工一次元構造の形成とその物性の制御

研究課題

研究課題/領域番号 18350078
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

南任 真史  独立行政法人理化学研究所, 川合表面化学研究室, 専任研究員 (90300889)

キーワード磁性 / 低次元構造 / 遷移金属 / 微傾斜面 / 磁気円二色性 / 超常磁性 / 単原子細線 / スピン
研究概要

Au(788)面上に平行に並ぶステップを微量蒸着した3d遷移金属で修飾することで一次元構造を形成し、その構造や電子状態、磁性などを調べ、一次元系の物理を明らかにすることを目的として研究を行っている。平成19年度はこれまでに得られたFe一次元構造の測定結果の解析を更に進めるとともに、Ni及びMnの一次元構造について、高輝度放射光からの円偏光を利用した磁気円二色性(XMCD)測定を行った。
Fe一次元構造のデータを更に解析した結果、この系が示す超常磁性的な振舞いは、Fe原子間の強磁性的な交換相互作用、Fe原子とAu基板の相互作用による面直磁気異方性、低次元系特有の強い揺らぎの効果などを考慮したモデルにより、よく説明出来ることが明らかになった。スピンブロックのサイズの温度依存性から交換エネルギーの値が得られ、ブロッキング温度の蒸着量依存性もモデルとSTM観察の結果を照らし合わせることによりよく再現された。
NiのXMCD測定の結果からは、NiがFeとは異なり面内磁気異方性を有し、磁化容易化軸はステップに平行であることがわかった。一方、Mnは面直磁気異方性を有するもののFeと比べると異方性は弱いこと、また、蒸着量に依存して磁性が常磁性と超常磁性の間で変化することなどがわかった。STM観察から、Mnはステップ近傍とテラス中央では異なる構造をとることがわかっているが、この異なる構造がそれぞれ異なる磁性を有すると考えると、この結果がよく説明出来る。
このように蒸着する金属の3d軌道の電子配置を変えるだけで、まったく異なる磁性を示すことがわかったことは意義深い。今後、更に実験とデータの解析を進めることにより、そのメカニズムを明らかにしていきたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Electronic structure and magnetism of one-dimensional Fe monatomic wires on Au(788)investigated with ARPES and XMCD2007

    • 著者名/発表者名
      H.Fujisawa
    • 雑誌名

      Physical Review B 75

      ページ: 245423/1-8

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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