研究概要 |
本申請者らは,電気化学活性な有機金属分子(フェロセン)をDNAに連結させた新規な"人工DNA"を合成した.この人工DNAを,電極上に固定化させて電気化学センサーとして用いるという新たな方法によって,正常遺伝子とSNP遺伝子を判別することに成功した.本申請課題は,単純明快に「実用的なSNP検出システムの創製」を目指す.完全相補鎖とSNP相補鎖との間でのデジタル的なon/off応答を維持しつつ,コスト上,最もネックとなる化学合成の徹底的な簡素化を実現した電気化学センサー分子を開発する. 平成18年度に実施した研究を以下に箇条書きに記す. (1)計算機化学を用いて新規電気化学活性ヌクレオシドの分子設計を行った. (2)新規電気化学活性ヌクレオシドの合成ルートを検索し,それを確立した. (3)新規電気化学活性ヌクレオシドのDNAへの組み込み条件を検討した. (4)新規電気化学活性DNAプローブの電極への固定化を検討した. (5)新規電気化学活性DNAプローブを用いるSNP検出条件の最適化を行った. (6)最良の結果が得られた新規ヌクレオシドの合成スキームの最適化と大量合成を行った.
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