研究課題
有機トランジスタは、大面積な基板やフレキシブル基板などの上に、印刷のような簡単な方法で作成できる可能性から注目を集めているが、p型では良い材料がたくさんあるのに対して、n型を示す材料が少なく、かつn型有機トランジスタは通常の雰囲気下では不安定な場合が多いととが問題になっている。本年度は、安定な電子受容体であり、かつ金属と錯形成するジメチルジシアノキノンジイミン(DMDCNQI)と呼ばれる有機物を用いたn型トランジスタを動作させることに成功した。このトランジスタは0.01cm^2/Vsとn型としては比較的高い移動度を示し、空気中で長時間動作させても性能の劣化が見られないという著しい大気安定性を示した。またこのトランジスタの性能や安定性が、電極金属の種類を金、銀、銅、有機伝導体などと変えることによって変化する様子を明らかとした。我々は有機トランジスタの性能が有機半導体ばかりでなく電極材料にも大きく依存することを明らかとしてきたが、電極にカーボンペースト起源のカーボンを用い、ウェットプロセスのみよって、注入効率のよいカーボン電極を作成する方法を開発した。この方法はp型のみでなくn型に対しても、ボトムコンタクト型の構造で有機半導体の最大効率を引き出すことができる。またこの方法を、レーザービームによるシンタリングと組み合わせることにより、ゲート長2μm程度までの微細なデバイスを作成できることを明らかとした。
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