研究分担者 |
米村 俊昭 高知大学, 理学部, 准教授 (90240382)
阿万 智治 高知大学, 理学部, 教授 (60036580)
渡瀬 星児 大阪市立工業研究所, 電子材料担当, 研究主任 (60416336)
松川 公洋 大阪市立工業研究所, 電子材料担当, 研究主幹 (90416321)
島崎 一彦 高知大学, 農学部, 准教授 (20196471)
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研究概要 |
本研究は、固体発光性を示す新規な蛍光色素やハイブリッド錯体を創出し、それらを活用した波長変換用機能資材の開発を目指している。本年度の研究成果の概要を以下にとりまとめた。 1.固体発光性蛍光色素の分子設計・合成・光物性評価 新規なフェナジン系、オキサゾール系、アントラキノイド系固体発光性色素を分子設計・合成し、光物性、耐熱・耐光性を評価した。波長変換用発光性色素としての良好な特性を示す蛍光色素を得た。 2.発光性金属錯体の設計・合成・光物性評価 (1)イミダゾフェナントロリン系およびアントラキノン系蛍光色素を配位子として、種々の金属イオン(Be^<2+>,Zn^<2+>,Mg^<2+>,Fe^<3+>,Eu^<3+>,Gd^<3+>,Dy^<3+>)との錯形成を検討した。金属錯体化することにより、発光強度が配位子の発光強度に比べて20倍以上も増大する発光性金属錯体を得た。 (2)トリアルコキシシランの加水分解・重縮合反応により形成されるシルセスキオキサンとβジケトン配位子を有するユーロピウム錯体をハイブリッド化することにより、高純度・高効率なリン光発光性ハイブリッド薄膜の作製に成功した。 3.波長変換資材の試作と評価 開発した種々の発光性色素を各種透明高分子樹脂に組み入れたフィルムを作成し、色素の光吸収・発光特性、及び耐光性に及ぼすポリマー基質の効果について検討した。発光性色素と高分子樹脂の組み合わせの選択で発光強度や耐光性を大幅に改善することができた。 4.波長変換用蛍光フィルムを使用した植物栽培実証試験 固体発光性色素を組み入れた波長変換特性の異なる蛍光フィルムを数種使用して、自然光型ファイトトロン内で花卉の実生苗の成長に及ぼす蛍光フィルム被覆の影響を調べた。地上部新鮮重、分枝数,葉数,根新鮮重を詳細に比較し基礎データを得た。
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