研究課題/領域番号 |
18350104
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
佐藤 峰夫 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30149984)
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研究分担者 |
上松 和義 新潟大学, 工学部, 技術専門職員 (20377146)
戸田 健司 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (20293201)
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キーワード | 無機材料 / マイクロ波 / 蛍光体 / 正極材料 |
研究概要 |
現在、リチウムイオン二次電池の正極材料にはLiCoO_2やLiNiO_2などが主に用いられているが、今後の電池の大型化、量産化に耐えうる材料の開発が求められている。鉄系化合物は環境負荷が小さく、資源的に豊富なことから、その有力候補に挙げられている。中でもolivine構造を持つLiFePO_4は理論容量が170mAh/gと比較的高いことから注目されている。マイクロ波加熱では対象物に直接エネルギーが付与されるため、急速加熱と高い熱効率が得られるという大きな特徴がある。本研究では、省エネルギー、時間短縮、低コスト化が期待できるこの技術をLiFePO_4の合成に適用した。合成には家庭用電子レンジ(2。45GHz、高周波出力500W)を用い、試料の温度測定と温度制御を行った。仮焼成時および合成時は鉄の酸化を防ぐため、試料を石英製反応管に入れ、アルゴンガスを流した。得られた試料はXRD測定、充放電特性測定、SEM観察等を行った。LiFePO_4原料の誘電特性を測定したところ、鉄源であるFeOとC_4H_6O_4Feを比較した場合、誘電損率ε"の大きいFeOがマイクロ波合成に適していることがわかった。FeO、Li_3CO_3およびNH_4H_2PO_4の所定割合の混合物を電子レンジで1分間加熱を行い、仮焼成(熱分解)を行った。得られた分解物をメノウ乳鉢ですりつぶした後、その1.5gを圧縮成型して、電子レンジで加熱合成を行った。600℃と700℃に温度制御場合、比較的よく温度制御されていることがわかった。加熱時間は15minである。得られた試料のXRD測定を行ったところ、700℃加熱でLiFePO_4の単一相が生成していることがわかった。さらに原料FeO粉末の粒径、他の原料の探索、加熱条件等の検討を行った。
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