研究課題/領域番号 |
18350107
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
尾形 幸生 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (30152375)
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研究分担者 |
作花 哲夫 京都大学, エネルギー理工学研究所, 准教授 (10196206)
深見 一弘 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教 (60452322)
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キーワード | 多孔質シリコン / 半導体多層膜 / 光学センサー / 陽極酸化 |
研究概要 |
センサーへの応用に適したルゲート型多孔質シリコン多層構造の最適化を図った。 1.多層ルゲート構造の最適化と物質検知条件の検討 高抵抗シリコン基板を用いて、孔径が数nm以下と小さいミクロ孔多孔質層からなるルゲート型多層構造を作製し、感度と応答時間の向上が図れることを示した。しかし、多層膜の機械的強度がメソ孔多層膜に比べて劣るために、多層膜厚さを増すことが困難であることを確認した。 多層膜内における多孔度、従って屈折率に十分な変化を持たせるためには、大きな電解電流変調が必要であった。そのために、電流変化に応じて多孔質層成長速度が大きく変わる。電流を正弦波変調した結果得られる多層膜は、屈折率が正弦波変調された構造とはならない。屈折率が正弦波変調された正しいルゲート型多層構造を得るためには、膜成長速度と屈折率の電流密度依存性を考慮した電流プログラミングが必要となることを、シミュレーションならびに実験的に示した。 2.多孔質シリコンの孔径制御 100nm程度の中間孔径の多孔質シリコンを過マンガン酸カリウム存在下のフッ酸溶液中で電気化学的に形成し、電流密度により孔壁の平滑度が異なることを見いだした。低い電流密度で分枝構造が出現した。電解重合により、これらの孔構造中にポリピロールを充填でき、その構造が忠実に孔構造を再現するものであり、多孔質シリコンが多様なミクロ構造体作製のテンプレートとして用いることができる可能性を示した。 銀粒子を表面に析出したシリコン基板を用いてフッ酸溶液中にて陽分極ことによって、中間孔径の孔がシリコン中に形成することを見いだした。同基板を用いて化学エッチングすることにより孔形成が起こることは報告されているが、電解条件においては初めての発見である。
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