研究課題/領域番号 |
18350111
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研究機関 | 桐蔭横浜大学 |
研究代表者 |
宮坂 力 桐蔭横浜大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00350687)
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研究分担者 |
池上 和志 桐蔭横浜大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30375414)
白井 靖男 東京工芸大学, 工学部, 教授 (50064275)
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キーワード | 光電変換 / ナノ粒子 / 半導体 / エネルギー変換 / 炭素材料 / 高分子構造・物性 |
研究概要 |
本研究では、固体系光電変換素子の創製に向けて、(1)酸化物半導体、(2)イオン伝導材料、(3)導電性ポリマー材料、(4)炭素材料からなる接合構造と、(1)〜(4)のいずれかの界面に配置した光吸収体により、高効率の光励起電子移動と光エネルギー変換系を構築することを目的とする。18年度までは光吸収体に有機色素の単分子膜、炭素材料にカーボンナノチューブ等を用いて効率が2%程度の固体素子を試作したが、本年度は、光吸収体により光吸収係数の高い化合物半導体の量子ドットやナノ結晶粒子を用いることを試みた。その結果、臭化鉛系のペロブスカイト化合物のナノ結晶を自己組織化によって(1)と(2)の界面に形成することによって高い効率で可視光の電極変換を3%近いエネルギー変換効率で達成する予備実験に成功した。 1.光電変換の基本特性 有機色素のブロードな吸収特性と異なり、ナノ結晶粒子の強いバンドギャップ吸収を反映する光電変換作用スペクトルが可視光の600nmを吸収端として得られ、光電流の量子効率は80%に到達した。また、ヨウ化鉛系のナノ結晶では800nmまでの吸収端をもつ黒色の(可視光を全吸収する)が得られた。光吸収体として有機色素を無機ナノ結晶に代えて光吸収を強めることで、電子受容体の酸化物半導体層を現状の10μmから3μmまで薄膜化できる可能性も示された。 2.電荷移動界面の抵抗因子の解析 交流インピーダンスアナライザー(昨年度購入)を用いた解析では、(1)酸化物半導体/無機化合物ナノ粒子/(2)イオン伝導材料の界面の抵抗が高く、この界面の改善が今後のさらなる高効率化に必要なことが示された。
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