研究課題/領域番号 |
18350114
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
塩見 友雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10134967)
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研究分担者 |
竹中 克彦 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (30188205)
竹下 宏樹 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (80313568)
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キーワード | 液晶化 / ミクロ相分離 / ブロック共重合体 / 相構造 / 時分割小角X線散乱 / 高分子構造・物性 / ナノ材料 |
研究概要 |
液晶性成分としてシアノビフェニルを11個のメチレンスペーサーで主鎖と連結したアクリレート型を、非晶性成分として液晶化時に分子鎖が動き得るゴム状態にあるポリブチルアクリレートを有する液晶性-非晶性ブロック共重合体において、ミクロ相分離下からの液晶化における高次構造形成過程を時分割SAXSにより明らかにした。ラメラ状ミクロ相分離下からスメクティック(Sm)構造を形成する場合、液晶化前のミクロ相分離構造を不連続的に再編し、その初期過程においてネマティック(Nm)構造が共存することを見出した。これは、Sm形成においてNmを経由することを示唆している。この構造形成過程に関する知見は初めて得られたものである。一方、Nm構造を形成する円筒状の形態を有するミクロ相分離構造下からの液晶化においては、ミクロ相分離構造は連続的に変化した。また、2次元SAXSにより、これらドメイン内におけるメソゲン基の配向は、ドメイン界面に平行であった。このことは、液晶化において、主鎖がドメイン界面に垂直方向に延ばされることを意味し、液晶化によりサイズの増大を生じさせることを示唆する。 上記シアノビフェニル型(PCB)とコレステリック型(PCh)の2種類の液晶性成分からなるブロック共重合体では、先に液晶化するPCh液晶相の制約の下でのPCBの液晶化において、ミクロ相分離構造を変化させる場合が認められた。なお、PChの液晶化においては、ミクロ相分離構造はそのサイズも含め変化しなかった。これは、PChがバルキーであるため液晶化においても体積変化を起こさないためであると推察された。
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