深刻な健康被害をもたらすアレルギー疾患を未然に予防する手段を提案するため、迅速簡便にアレルゲン物質をセンシングするシステムの開発研究を行った。本研究は光の干渉に基づく構造色を発現する薄膜を用い、アレルゲン物質が薄膜へ収着した際の膜厚変化を直接的に色変化として認識するものである。抗原-抗体の組み合わせを利用し、低分子の特異的な結合を視覚的に認識することに成功した。また、これらの収着挙動をより詳細に評価可能な装置の開発にも成功し、アレルゲンセンシングシステム開発の足がかりとなる多くの知見を得ることができた。
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