研究課題
基盤研究(B)
高度通信情報化にともない、放射電磁波の増大や利用周波数領域の多様化が起こり、電磁干渉による電子機器の誤作動が大きな問題となっている。本研究の目的はGHz帯域における吸収性能に優れた電磁波吸収体を創製することである。高分子ブレンドの相分離構造や架橋網目の網目サイズを利用して、ナノカーボン粒子のネットワーク構造を作り、導電性と電磁波吸収性能を飛躍的に高めた。ナノカーボンとして鎖状構造をとりやすいアセチレンブラック(AB:直径20nm)とカーボンナノファイバー(VGCF:直径150nm,長さ10-20μm)を用いた。ナノカーボンの分散と導電性・誘電性の相関、総合的な結果としての電磁波吸収性能の関連がほぼ明らかになった。主な研究結果は次のようにまとめられる。1.ABは凝集クラスターが種々の形をとり、自己相似のフラクタル構造になりにくいが、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)中では、長時間アニールで導電性のパーレーションしきい値を2.2vol%と驚異的に低くできる。シリコンゴムでは、網目サイズをABの一次粒子の直径程度にすることでABの分散制御が可能となる。いずれの系においても導電性のしきい値を少し越えた充填量で、コンポジットは95%以上の高い電磁波吸収性能を示す。2.高密度ポリエチレン(HDPE)/ポリプロピレンブレンドの共連続構造中で、VGCFはHDPE中に局在して、単体中よりしきい値が低下し導電性が増大する。PMMAにごく少量のHDPEを加えると、粗いVGCF末端へのHDPEの吸着がVGCFの連結に寄与し、PMMA単体中よりも導電性が飛躍的に高くなり95%以上の電磁波吸収率を示す。3.反応性シリコン/VGCF分散複合系に電場を印加し、光学顕微鏡観察を行い誘電性の時間変化を測定した。VGCFの電場方向への配列傾向とともに、貯蔵誘電率・損失誘電率が増加する結果が得られた。
すべて 2008 2007 2006
すべて 雑誌論文 (24件) (うち査読あり 12件) 学会発表 (137件) 図書 (1件) 産業財産権 (5件) (うち外国 2件)
J. Soc. Rheology, Japan 36
ページ: 43-49
Polymer 49
ページ: 2014-2017
Liquid Crystals 35
ページ: 253-264
J. Soc. Rheology, Japan 36(in press)
Rheologica Acta 47(in press)
J. Soc. Rheology, Japan, refereed 36(1)
Polymer, refereed 49(8)
Liquid Crystals, refereed 35(3)
J. Soc. Rheology, Japan, refereed 36(3)(in press)
Rheologica Acta, refereed 47(in press)
Polymer 48
ページ: 2371-2379
J. Soc. Rheology, Japan 35
ページ: 1-9
Rheologica Acta 46
ページ: 921-932
ページ: 199-205
Colloid and Polymer Science 285
ページ: 1201-1211
Liquid Crystals 34
ページ: 1019-1028
Polymer, refereed 48(8)
J. Soc. Rheology, Japan, refereed 35(1)
Rheologica Acta, refereed 46
J. Soc. Rheology, Japan, refereed 35(4)
Liquid Crystals, refereed 34(9)
Colloid and Polymer Science, refereed 285(11)
Colloid and Polymer Science 284
ページ: 562-567
Colloid and Polymer Science, refereed 284(5)