研究課題/領域番号 |
18350120
|
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
吉永 耕二 九州工業大学, 工学部, 教授 (00040436)
|
研究分担者 |
毛利 恵美子 九州工業大学, 工学部, 助手 (60380721)
大久保 恒夫 山形大学, 地域共同研究センター, 客員教授 (70026194)
|
キーワード | コロイド結晶 / フォトニック結晶 / 粒子配列 / シリカ / 光学特性 / 鉄錯体 / ポリマーグラフト / ゲル化 |
研究概要 |
1.発色団基をもつポリマーのコロイダルシリカへのグラフト (1)ビニル基をもつフェロセンおよびジエン-鉄(0)トリカルボニル錯体を合成し、次にこれらのモノマーとポリメタクリル酸メチルのラジカル共重合によって、鉄(0)錯体を側鎖にもっポリマーシランが得られた。さらにこの共重合体を用いてコロイダルシリカ(130mm)表面へのグラグトを行い、錯体発色団基をシリカ表面へ導入した。(2)ローダミンやフルオレセンなどの蛍光色素にビニル基を導入し、同様に共重合体を合成したが、コロイダルシリカを分散する溶媒への溶解度が低く、シリカ表面へのグラフトは不可能であった。 2.有機溶媒中での発色団-ポリマーをグラフトしたシリカのコロイド結晶化と構造解析 上記方法によって調製した鉄(0)錯体を表面にグラフトしたシリカのコロイド結晶がエタノールやN,N-ジメチルホルムアミドなどの高極性溶媒中で形成することが見出された。これらのコロイド結晶中の単結晶の発色は単色光に近いことが観測された。この発色は共重合ポリマーと溶媒の組み合わせによって変化することが判明し、それは錯体による吸光と粒子配列構造に基づくブラッグ反射バンドの兼ね合いによって起こる発色現象であることが明らかになった。 3.ゲル中へのコロイド結晶の固定化 有機溶媒中で観測された鉄(0)錯体をグラフトしたシリカのコロイド結晶は、ポリメタクリル酸メチルなどをグラフトしたシリカのそれらよりも不安定であり、ゲル中への固定化後には、明確なブラッグ回折ピークが観測されなかった。 4.コロイド結晶の顕微鏡観察 レーザー共焦点顕微鏡観察によって、有機溶媒中において形成したコロイド結晶中の単結晶サイズを決定した。そのサイズは、反射スペクトル半値幅法によって決定したものとほぼ等しいものであった。しかしながら、粒子間距離の決定までには至らなかった。
|