研究概要 |
今年度は、配光制御構造を有する照明用LED作製を目指して、(1)照明用LED作製に必要となる高品質Al(Ga)Nのエピタキシャル成長、(2)光学フィルムによる配光制御構造の作製、(3)LED照明応用に関する調査を行った。 高品質Al(Ga)Nの結晶成長に関しては、反射光モニタリング装置を用いて、MOVPE結晶成長条件を詳細に検討することで、r面サファイア上に表面の平坦製に優れたa面GaN, AlN, AlIGaNを得ることができた。また、サファイア上にエピタキシャル成長したAlNに周期的な溝を加工し、その上にHVPE法によりAlNの厚膜成長を行うことで、表面の平坦性に優れ、転位密度が従来のAlNバルク単結晶より1桁少ない高品質なAlNバルク単結晶を得ることができた。これらの成果から、高い発光効率を有する照明用LEDを作製するために必要な基板結晶を得るための見通しを得ることができた。 光学フィルムによる配光制御構造に関しては、周期構造を有する回折レンズにより、配光角120°のLEDの光を配光角を40°に絞ることや、焦点距離140μmという短焦点距離を実現することができ、窒化物半導体のLED構造と組み合わせることで、配光制御LEDを得るための見通しを得ることができた。 また、LED照明応用に関しては、昨年度に行った伝統工芸品と組み合わせた照明機器の他に、自動販売機用照明応用に向けた調査を実施し、LEDを自販機照明に応用するための課題を明らかにした。
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