研究概要 |
Si系発光デバイス等を目指して、新しいバイオナノプロセスとトップダウン式のMBE法、SPE法、イオン注入法等を融合させ、Si基板上にGeC、 β-FeSi_2、 Siそれぞれのナノクリスタル(NC)の2次元精密配列(超格子)の形成技術を開発した。得られた新しい知見は次の通りである。(中間勇二君の博士論文) (1)Si(100)基板上に作製した2nm厚極薄膜Siナノマスクの微小孔を介し、真空アークプラズマガンのC分子線源に用いて分子線エピタキシー(MBE)選択成長により直径7±2nm、ピッチ12nmにほぼ2次元配列したGeC-NCの形成に初めて成功し、そのPLスペクトルを観測した。NC化によりGe_<1-x>C_xの格子点C組成x=3.2%を達成したが、目標のx≧4%とバンドボーイングの克服による直接遷移型バンド構造は実現できなかった。[Jpn. J. Appl. Phys. 47(4)2008] (2)上記のSiナノマスクを介してSiO_2薄膜中に0.6keVでSiイオンを超低加速注入(ドーズ量1×10^<16>cm^<-2>)し、Nd: YAGパルスレーザアニールを用いて直径3.0±0.3nm,間隔6nmのSi-NCの2次元超格子構造の形成に初めて成功し、波長600nmに強いPLピークを検出した。[Appl. Phys. Express, 1,2008] (3)バイオナノプロセスによってSi(100)基板上に2次元配列したFe内包フェリチンのたんぱく質をO_3プラズマで除去し、PECVDチャンバ内でNH_3プラズマで還元したFeナノドットカラムを同一チャンバ内でa-Si薄膜を堆積・埋め込み、高真空中、800℃、1時間の固相エピタキシー法によって直径6.0±0.4nm、 12nmピッチの均一なβ-FeSi2NCの2次元配列の形成とそのPLスペクトルの観測に成功した。[Appl. Phys. Lett., 91,2007]
|