研究課題
1. ショットキーバリア高さ極限の破綻これまで「バーディーン極限」と「ショットキー極限」がショットキーバリア高さにおける絶対的な極限として信じられてきた。我々は界面の選択的な軌道混成と界面構造を第一原理量子論等で詳細に検討することにより、上記2つの極限は本当の極限ではないことを理論的に明らかにした。さらに、ショットキー極限の破綻については広島大学の宮崎教授グループと連携して実験的にも検証し、界面物理学に新しい展開を与えることに成功した。2. ショットキー障壁高さの制御指針の研究平衡プロセス(高温プロセス)でCMOS構成が可能なプロセスを模索した。その結果、Si基板側の界面を制御することは有効な指針となることを示すとともに、酸素を導入して酸素空孔を消滅させる手法について特に考察した。その結果、フェルミレベルピニングが起こっている状況では酸素空孔を消滅させる反応は基板のSiを酸化する反応と熱力学的には等価であることを証明した。この結果は、酸素空孔の消滅と有効絶縁膜厚の増加はトレードオフの関係にあり、酸素空孔だけを消滅させるプロセスウインドーは極めて狭いことを明らかにした。上記考察は、酸素注入による酸素空孔の消去を行うプロセスは、集積化を目指した手法としては望み薄であることを意味している。3. SiN電荷蓄積層の量子論的考察MONOS型メモリの電荷蓄積層であるSiN絶縁膜の電荷蓄積機構を第一原理計算で検討した。その結果、SiN絶縁膜の堅固さと柔軟さが電荷トラップ機構に密接に関係することを明らかにし、酸素が混入して柔軟になったSiN/SiO_2界面では電子トラップ・ホールトラップ双方ともに形成されやすいことを明らかにした。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (7件)
PHYSICAL REVIEW B 77
ページ: Art. No.045308
表面科学 29
ページ: 92-98
IEICE TRANSACTIONS ON ELECTRONICS E90C
ページ: 955-961
IEEE ELECTRON DEVICE LETTERS 28
ページ: 363-365
APPLIED PHYSICS LETTERS 91
ページ: Art. No.132904
Technical Digest of 2007 Symposium on VLSI Technology
ページ: 66-67
JOURNAL OF APPLIED PHYSICS 101
ページ: Art. No.084118
JOURNAL OF CRYSTAL GROWTH 301
ページ: 75-78