研究課題
平成20年はシリサイド界面形成過程、Si/Ge界面に形成された歪んだGe層の構造と電子状態、SiO2/SiN界面の量子論的考察等の研究を行い有用な結果が得られた。シリサイド形成の研究では、Ni、Ti、Au、Al、Mg、及びFeに対してシリサイド形成機構を第一原理計算で考察した。具体的には、シリサイド形成に関する金属種依存性の起源、およびSi基板上での安定なシリサイド相の組成依存性を検討した。その結果、Ni、Tiにおいては、Siのp軌道から金属原子のd軌道への電子移動がシリサイド相安定化の起源であることを明らかにした。一方、Auはd軌道が既に占有であるだめ、Alはd軌道がないため有効な安定化をしないことも解明した。また、MgやFeは特別な結晶構造を取ることで半導体になることがわかった。さらに、Si基板上では歪と界面結合の整合度により、一部の組成相は不安定になることも指摘した。Si/Ge界面に形成された歪んだGe層の構造と電子状態等の研究においては、平成19年度に一軸性の歪みを印加することでGe単原子空孔はアクセプターになる可能性があることを示唆したが、今年度は一軸性歪みの方向依存性を詳細に検討した。その結果[110]方向に一軸性歪みが印加されるとGe単原子空孔は特にアクセプター準位を形成しやすいことを明らかにした。Si/O2/SiN界面の量子論的考察においては、MONOS型メモリの電荷蓄積層であるSiN絶縁膜の電荷蓄積機構を第一原理計算で検討した。その結果SiO2/SiN界面に多く存在すると考えられる酸素過剰型の欠陥においては、メモリの書き込み・消去によって非可逆的な構造変化を起こす傾向があることを明らかにした
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