研究課題
輸送現象を研究する上で、伝導電子の磁気応答を調べることは欠かすことはできない。しかし、固体表面上ナノ構造体のホール効果や弱局在などの研究は、その測定技術がなかったためこれまでほとんど行われなかった。一方、最近我々はマイクロ4端子プローブによる表面状態の直接電気抵抗測定に成功した。そこで本研究ではこのマイクロプローブを利用した新しい表面磁気電気抵抗測定装置を開発し、半導体表面及び金属表面上(磁性)金属ナノ構造体の電子の磁気電気伝導の研究へと展開する。本年度はまず超高真空下でサンプル表面を極低温まで冷却し、さらに高磁場を印加できる表面磁気抵抗測定装置の設計・開発を、(株)ユニソク社と共同で行った。装置は、現在東京大学理学部に設置されており、最大磁場7Tを印加できる超伝導コイル、液体ヘリウムクライオスタット、ツインプローブシステムが装備されている。真空度は<2×10^<-10> Torrの超高真空度に達し、またサンプルは10K以下に冷却でき、さらに測定プローブの3次元駆動と電気伝導測定も確認している。一方、開発の段階で本装置に安定した除振機構と十分な磁場印加スペースが確保できた。そこで装置にプローブ交換機構を設け、マイクロ4端子プローブによる磁気伝導測定だけでなく、マクロ4端子プローブによるホール伝導測定、磁場中STM/STS観察、そして2探針STMによるトランスコンダクタンス測定も将来的に実現できるようにした。本研究は我々の表面輸送現象研究においても新展開である。そこで装置開発期間中に、日本物理学会誌などから解説記事執筆依頼もあったので、これまでの表面電気伝導研究を2つのレビュー論文(和文、英文)にまとめた。
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