研究概要 |
バナデート混晶の誘導放出断面積,飽和強度など主な物性を明らかにするために,Nd:Gd_xY_<1-x>VO_4結晶を取り上げ,能動,受動Qスイッチにおけるレーザー特性を解析した。 その結果,能動Qスイッチでは100-650kHzの範囲でパルス幅10-40nsの安定なQスイッチ動作を示し,レーザー出力も10Wを超えることから,バナデート混晶が良好なレーザー結晶であることがわかった。また,Cr:YAGを用いた受動Qスイッチにおいても8Wを超える安定なQスイッチ動作を確認した。さらに,混晶比xやNd添加濃度を変えることで,バナデート混晶の誘導放出断面積,利得帯域,蛍光寿命などが自在に制御できることが明らかになった。 さらに,これまでの実験を踏まえ,側面励起型Nd:Gd_xY_<1-x>VO_4増幅器を用いた超短パルス位相共役レーザーを開発している。増幅器の小信号利得は〜40倍を観測した。飽和強度はNd:GdVO_4の約2倍程度であった。 これまでに,側面励起型Nd:Gd_xY_<1-x>VO_4増幅器と位相共役鏡を組み合わせた位相共役レーザーシステムにおいて平均出力16W,パルス幅<5psを達成した。ピークパワーは200kWに達する。
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