研究概要 |
(1) 流れ方向に回転軸を有する回転平面クエット流の分岐解析:最近発表した流れ方向に回転軸を有する回転平面ポアズイユ流の分岐に関する論文'Instabilities of plane Poiseuille flow with a streamwise system rotation(Masuda'(Fukuda & Nagata (2008))で用いた数値計算法を利用して、回転平面クエット流の分岐解析に発展させた。この流れは線形臨界値がエネルギー法から導かれる臨界値と一致する極稀なケースであるため、非線形解析は非常に興味深く、得られた研究成果は、第7回ERCOFTAC SIG33-FLUBIO Workshop (伊): Open Issues in Transition and Flow ControlおよびIssac Newton Institute, Workshop Programme (英): Wall Bounced Shear Flows: Transition and Turbulenceで発表された。現在、流体学会の一流雑誌への投稿準備をはじめている。 (2) 矩形管内流れの分岐解析:任意のレイノルズ数に対し線形安定性が保証されている正方形断面をもつ矩形管内流れは、平面クエット流と同様に層流解から分岐する非線形解は存在しないが、層流解とは繋がらない非線形解が存在することが実験的に知られており、この非線形を探しだすことは流体力学上大きな課題となっている。自己維持メカニズムの手法の適用による非線形解の存在を示唆する最近の論文'Coherent flow states in a square duct'(Wedin, Biau, Bottaro & Nagata (2008))を発展させ、実際に非線形解を求める数値計算コードを開発し、その存在を明らかにした。この画期的な研究の成果はPhysical Review Eに投稿している。
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