研究課題/領域番号 |
18360056
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
干 強 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助教授 (80242379)
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研究分担者 |
白鳥 正樹 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (60017986)
澁谷 忠弘 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助手 (10332644)
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キーワード | 電子デバイス / はんだ接合 / 熱サイクル疲労 / 多軸応力 / マルチ破壊モード / 界面破壊 / 弾塑性クリープ / 有限要素法 |
研究概要 |
本研究は、繰返し発生する多軸応力を受ける鉛フリーはんだ接合部の界面のミクロ構造を考慮したマルチ破壊モードの疲労破壊メカニズムを明らかにし、母材・界面における信頼性のコンパティビリティを解明するとともに,その最終破壊モードの予測法および破壊モードの制御手法を確立することを目的とする。今年度得られた成果は以下のようにまとめることができる。 1.多軸応力を受ける鉛フリーはんだマイクロ接合部の非線形材料特性の効率的な計測手法を確立し、短時間で鉛フリーはんだの弾塑性、クリープなどの非線形材料特性を計測する手法について検討した。 2.マイクロ構造用の多軸応力下の強度評価試験手法の開発を目的として、光学式デジタル相関法を用いたマイクロ領域のひずみを直接に検討する方法を利用してはんだ接合部のひずみを計測する技術を開発した。簡易なジグと基本的な弾性変形理論をベースとして、はんだ接合部に負荷する荷重を算出する手法について検討した。 3.電子デバイスにおける多軸応力状態を3点曲げ試験によって擬似的に再現する手法を開発した。これにより、様々な多軸応力比簡易的に試験を実施することができる。また、電子デバイスでは熱変形のミスマッチに起因して多軸応力状態が発生する場合が多いため、熱サイクル試験を行う必要がある。本手法は、機械的負荷によって熱サイクル負荷を擬似的に再現することによって疲労特性の評価が可能となっている。初年度は、平均変位および荷重を与えた場合の低サイクル疲労特性について検討した。 4.界面のミクロ構造を考慮した破壊評価法の開発を行った。電子デバイスに用いられる典型的な樹脂界面について、開口ジグを用いて詳細な構造を観察するとともに評価用のモデルを構築した。提案したモデルは、界面での破壊をうまく再現しており、次年度評価予定のマルチ破壊モードのメカニズム解明に有用であることを確認した。
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