研究概要 |
平成18年度に実施した研究実績を以下に箇条書きで示す. 1.複素生産空間の概念の提示とサイバーフィールドの実装 本研究の中心的な概念である複素生産空間の概念を提示するとともに,プロトタイプとしてのサイバーフィールドの実装を約80平方メートルの部屋に対して行い,3Dオブジェクトに関する情報をリアルタイムにクライアント-サーバ方式で運用して,デモンストレーションを実施した. 2.ハイブリッド型作業空間マッピング 複素生産空間内の人間の頭部位置と姿勢を計測するための特殊なマーカを開発し,それによって作業者の注意方向をリアルタイムに取得することを可能とした.人間の発話内容を音声認識と構文解析を行うことで,直示表現を抽出し,発話中の指示対象を特定するシステムの開発を行った.また,複素生産空間内に配置されたオブジェクトモデルで定義された対象物に対して,幾何学的不変量に基づくID・位置・姿勢同時認識可能なPenTagを付けることで,サイバーフィールド内のオブジェクトモデルの整合性管理を実現した.さらに,平成18年度に購入した3次元スキャナの取得するポイントデータとCADデータとの照合を行う手法の開発を進めた. 3.ユニバーサルポインティング 本年度においては,パン・チルト・ズーム機能付きの移動型監視カメラシステムを用いて,映像上の点をポインティングすることで,複素生産空間内での指示対象の絞り込みを実現した.また,複素生産空間内で指定された点を実世界で指示するための自動雲台型レーザポインティングシステムを思索した.さらに,平成18年度に購入した全方位カメラシステムを用いて,遠隔地から複素作業空間内の対象物を指示するシステムを開発を進めた.
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